東京都知事選で安倍内閣暴走にストップをかけよう!

 

2月9日投票の東京都知事選は安倍内閣の原発推進、解釈改憲などの暴走を食い止める千載一遇のチャンスです。世話人会は1月17日の会合で宇都宮健児さんを当選させるために、①街頭宣伝など選挙応援情報の拡散、②宇都宮さんチラシの配布を決定しました。

同日の会合では、宇都宮健児さんの弁護士仲間である澤藤統一郎氏が自身のブログで前回選挙の選対を批判し、彼に立候補を取りやめるよう連日発表している一方で、澤藤氏の提言に北足立9条の会呼び掛け人でもある中山武敏弁護士らは「私憤に立脚する恣意的な主張」との反論を発表したこと、「週刊新潮」が「日弁連元会長の都知事選立候補に冷水を浴びせた友人」と記事を掲載するに至ってこの問題はネット上からマスコミにまで広がっていることが紹介されました。

また、安倍の暴走をストップさせるために細川護煕氏との一本化の動きがあることも話題となりました。
世話人会では、前記ブログに関する真実はわからず、わだかまりは払拭しきれないという意見がありましたが、選挙勝利へ次の点で一致しました。
(1)民主勢力内の民主主義や情報公開を進めていくべきであり、統一戦線の形成についても議論していくことを前提に、
(2)脱原発や改憲反対を明確にしている宇都宮健児さんの当選をめざしていく。
都民が都知事を選ぶ判断材料提供のための東京青年会議所の公開討論会、日本記者クラブ主催の候補者共同記者会見に出ようとせず、いずれも中止させるに至った自民推薦や元首相と組んだ者たち。政策論戦をしない人物や、政策のほとんどを告示日(1月22日)の前日まで発表しようとしない人物、民主体制と都民を軽視する候補者を、当選させるわけにはいかないのでは。(記・山田)

 

感動的でした! 講演会「現代に生きるケストナー」 

2013年12月21日、エデュカス東京

講師:井筒 満さん(73年日文)

 

 2時間にわたる迫力に満ちた講演に聴衆は時に涙しながら時間を忘れて聴き入りました。井筒さんご自身も二次会で「とても話しやすい講演会だった」と語っておられました。

 講演は「年譜・ケストナーの生活と文学」(文学教育研究者集団)を基に1899年に生まれたエーリッヒ・ケストナーの生い立ちを独帝国敗北、ワイマール憲法成立の時代背景と共に語ることから始まりました。

ケストナーの生きざまを、ナチスの時代背景の中で
子ども時代のケストナー一家が彼の成長を支援してきたこと、青年期にジャーナリストの仲間入りし、児童文学の世界にデビューしたものの、ナチスドイツの台頭により亡命を勧められたが、ドイツに残る決心をして世界に児童文学を発表してきたケストナーが、ナチスの「皆殺し名簿」に掲載され支援者に救われるなど生と死の狭間で生き抜いてきたことを、時代背景と共に語られました。

井筒さんは、1958年にケストナーが語った講演から「1933年から1945年までの出来事は、遅くとも1928年に防止されなければならなかった。自由のための戦いが反逆罪と呼ばれるようになるまで、待ってはなりません。なだれはすべてを埋めてしまった時、はじめて静止します」を引用し、私たちに警鐘を鳴らしてくれました。

ナチス支配下で子どもたちは孤独の中に閉じこもり、力こそ勝利の道と思いこむ青年たちが闊歩していました。

井筒さんは次に「飛ぶ教室」をはじめて聴く人にも分かりやすく説明してくれました。「立って話すと興奮するから座って話します」といいながら学生時代を思い出すような熱弁となっていきました。

「座して許すな」という言葉が印象的

1933年、ヒットラーが首相になった年に書かれた「飛ぶ教室」の前書きでケストナーは学期末となっても帰る家がなく寄宿舎に残らざるを得ない少年に「かしこさをともなわない勇気は乱暴でしかないし、勇気をともなわないかしこさは屁のようなものなんだよ!」と語ります。

井筒さんは奥さんからあなたも学びなさいと言われたと参加者の笑いを誘いながら物語の核心に導き、講演後の質疑では「動物会議」のあらすじを聞かせてほしいという要望に応えてくれました。二つの本はみなさまから子供たちや孫に読んで聞かせていただきたいと思います。

井筒さんが「権威主義に陥ることはファシズムを許容するメンタリティーとなる、取り戻すには笑いの精神が必要だ」と、現代日本の時代状況を「座して許すな」と講演されたのが印象に残りました。(記・山口)

参加者:33名(講師含む)。忘年会:20名(忘年会のみの参加者3名)

 

 

感想文から

時代背景の中で勇気ある作品に感銘 ★素晴らしく感動的なお話しをありがとうございました。子どもはとても世の中に敏感です。今、障害を持った子供たちの支援をしています。小学生の孫ともいろいろ話をしています。このような素敵な教師・生徒の関わりができることは大切ですし、この時代背景の中で勇気ある作品を作り上げたお話しはとても胸にしみました。

ヒトラーの時代と今の日本が重なった ★ 「飛ぶ教室」も「動物会議」もすでに読んでいる本でしたが、井筒さんの「飛ぶ教室」のお話しにおもわず涙が出てしまいました。ヒットラー下のドイツと現在の日本が重なってきますね。やっぱり一人ひとりのメンタリティーがどうであるかが大事ですよね。九条の会で良い企画をこれからもお願いします。

★ 良かった!会は今後も政治改革に向けて奮闘願います。

★ 丁寧な背景説明が非常に良かった。作品論と作家論にもう少し時間が取れれば…。会のみなさん頑張って下さい。

★ 久しぶりの文学講演、良かったです。今、ドイツ語を勉強しているので良かった。会では法律学者にも講演してもらいたい。御用法学者が秘密法に参画しているので、その批判を含めて民主的な学者に!例えば立命館の松宮教授など。

 

現代にケストナーの精神を生かしたい 

★「楽しくても苦労を忘れずに」、アイスラーの「子どもの歌」の出だし。ケストナー達の精神が生きているなー。飛ぶ教室に憧れて大人になりました。でも、そんな大人になれたか…。そんな大人になるよう、これからでも賢く勇気もある大人になりたい。会で池田さんを是非!今日の講演を受けてもっと深まると思います。

★ 子どもたちに伝えたい。子どもへの信頼の思いがケストナーの作品から感じることができました。長年、子どもたちへ本をという読書運動を続けながら児童文学を書いてきましたが、ケストナーを何度となく読んできながら、時代と子どもたちを感じることができました。ありがとうございました。ケストナーの文学の深さをもう一度読みたいですね。地元の九条の会で活動しています。直接テーマではなくこうした講演で訴える力があることを実感しました。

★ 今日の話を聞くまでケストナーについては知りませんでした。ケストナーが育った独国の様子と母親が生きる姿勢から厳しい時代を生き抜いてきたこと、それが今の日本の状況と重なり合って「現代に生きるケストナー」の演題とぴったりでした。また、ケストナーの作品を通して子どもたちに対する姿勢とナチス独国に対する批判精神を感性豊かに述べられて、これについても同感することがありました。

作品で抵抗する作家精神は素晴らしい 

★ワイマール憲法を破壊して出現したナチス第三帝国と日本の平和憲法を破壊しようとする極右政権がもろにシンクロナイズする時代に適切な内容でした。ナチス的な精神、個人感情(人情)の抑圧、人権の破壊といったものに作品で抵抗する作家魂は素晴らしい。

★ 日本語教師を先月までやっていました。その中でヴェトナムの留学生がよく悩みを言いにきました。その時は留学生も私も忙しく、なかなか対応できませんでしたが、これからは(来年の1月から船橋の日本語学校に転勤)“飛ぶ教室”のように生徒の悩みを最後まで聞ける教師になりたいと痛切に思いました。松戸の面川さんが主人公の映画ができました。ぜひ、上映とトークをやってほしいと思う。

作家も作品も知らなかったが、学ぶ機会を得て感謝 ★ ケストナーさんを知らなかった。作品も当然読んだことなし。これから学習することにします。学ぶ機会の提供ありがとうございました。

★ ケストナーという名前を知らなかったが、面白く聴かせてもらった。会には日本の政治体制をよくするための行動をこれからもやっていただきたい(中大Ⅱ部国際経済学科45年入学)。

 

二次会後

★ (忘年会のみ参加で)ケストナーの講演会を聞きたかったです。忘年会の始めのあいさつで井筒さんが加藤豊さんから依頼を受けた時の話をしていましたが……。「何故、大学に文学部があるのか? 文学作品や文学を学び研究することが社会変革に役立つのか? どのように役立っているのか?」。法政文学部に在籍当時から現在まで、そしてこれからも……私の永遠のテーマです。法政時代に「新英米文学研究会」という研究会で「文学作品に対する見方・考え方」をほんの少しだけ学ぶことが出来ました。最近、社会保障にかかわり学ぶ中で、あのディケンズの偉大さを知りました。

 

 

新たな基地NO! 札束攻勢はねのけ大差で
名護市長選挙勝利

「名護市民の「成熟度」が問われます。日本から米軍基地をなくしていく大きな一歩となり、安保条約廃棄への大きな一歩ともなるだろうと、私は思っています。政府も総力をあげて襲いかかっているのが現状です。11日が勝敗を決める。名護市の選挙に参加しよう。平和な世界をつくる行動なのだ! 楽しいぞ、おもしろいぞ!」(中島暁の沖縄レポート6、112日付から)

「稲嶺進さんの“人間力”の勝利でもある」(中島暁氏レポート)

12月から現地に入り、通信を送ってくれていた中島氏からの最後の報告です。<お疲れさまでした。>

 「投票日前日の名護市内の居酒屋は大盛況。異様な雰囲気だった。相手陣営は封筒を持って個別訪問。その反映か。しかしススム氏は勝った。彼は、選挙中も市長になる前からの日課である朝マラソンだけでなく、子どもたちの通学路で交通安全の“旗持ち”も続けた。勝利は、根本的にはそのような人柄と秘めたるエネルギーのたまものだ、人間力の勝利だと私は思っている。大きなお土産を持って帰れることが、嬉しい!」

(報告=名護市長選には会から「統一連」に3万円のカンパを送りました。)

辺野古の海岸のテントが海を見つめ、基地を監視する。

 

名護市辺野古の海岸の横にあるキャンプハンセン。柵には抗議の旗などがたくさん。

 

 

会員の活動紹介

面川隆氏(Ⅱ文・教育1971年)を取り上げた映画

「さようなら、ぼくの先生」

第39回NHK日本賞ノミネート作品(43分、カラー)

副題は「最後の90日」。定年退職直前の様子をカメラが追ったドキュメント。

「いつも本気で、一生懸命で、真剣に生徒(子ども)たちと向き合ってきた“ぼくの先生”がもうすぐ定年退職する。先生は最後の授業で子どもたちに何を教えるのか。地元松戸(千葉県)の小学校を舞台にした、涙あり笑いありのハートフル・ドキュメンタリー」(紹介チラシから)

近日中に上映会を予定。私たちの会でも観る機会が実現できたらと思います

 

 

予告「長時間討議」

 議題:「安倍政権の改憲に反対して 私たちはどう闘うか」

日時:3月8日(土)13:00~17:00

会場:「飯田橋ルノアール」(会議室)

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 3回目の企画です。異業種交流会的な、全国的にも珍しいと言われる大学OB九条の会の私たちの会のこれからの活動やあり方などについて、自由闊達な意見交換の場です。情勢をにらみながら、講師を招いての勉強などもセットで考えます。

 次回世話人会(227日夜)で内容を具体的に検討します。

 今から予定表に入れておいて下さい。ぜひとも参加を。