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護憲勢力に一票を!「壊憲」勢力を通すな!

護憲勢力に一票を!「壊憲」
法政大学Ⅱ部九条の会勢力を通すな!
2013年7月

 7月21日の参議院選挙投票日が近付いてきました。私たち法政大学Ⅱ部九条の会は、憲法九条はもちろん自民党の改憲草案すべてに反対します。もちろん96条を変えて政権与党がいつでも「壊憲」を発議できることにも反対です。
 
 7月10日付東京新聞で斉藤美奈子さん(文芸評論家)が「本音のコラム」で直近の世論調査への本音を語っています。
 コラムによると「憲法改正に賛成が44.5%反対が38%」(共同通信)「賛成46%反対34%」(毎日新聞)だったそうです。以下斉藤美奈子さんの本文を引用します
「世論調査では半数近くが改憲に賛成なんですね」「この種の調査を見るたび思うのだが、『憲法改正に賛成ですか、反対ですか』という設問だけでいいのかな」「日本の義務教育では…憲法の理念は教えても、条文までしっかり読ませようとしていない。しかも少し前までは、中学の指導要領に『条文解釈に深入りしないように留意すること』というただし書きがあった」「私たちが憲法音痴なのは、何十年も、改憲を党是とする政権与党の下で学校教育を受けたせいかもしれない。子どもに国家を歌わせるなら、憲法の前文だって暗唱くらいさせてもいいのに」「改正の是非を問う調査には『自民党の改憲草案を読んだことがありますか』という設問も本当は必要だろう。改正の前も後も知らずに、賛成も反対もない」。
 まさに私たちの本音でもあります。
私たちは、日本国憲法が堅持する、国民主権、人権主義、平和主義を破壊しようとするあらゆる策動に断固として反対します。そしてまた、人類の存在を脅かす核に反対し、原発ゼロを目指します。
平和と人権そして生活を守るために、護憲勢力に一票を投じましょう。

6月2日反原発集会!

★ 首都圏反原発連合主催の「0602反原発☆国会大包囲」に参加します。
集合時間 6月2日(日)午後4時
集合場所 文科省向かいの「日土地ビル」前広場 宝くじ売り場前
行動予定 集合後、国会前に向かいます。
目印    法政大学九条の会の旗
交流会  地下鉄虎ノ門駅近くの「さくら水産」
★ 三団体が最終的に首都圏反原発連合主催の「国会包囲」に集結しますが、前段階で二団体が集会デモを予定しています。どちらかに出て国会前にとなる方も多くいらっしゃると考え、全体が集まる「国会包囲」の場に九条の会として集まることにしました。
 ★ 「原発をなくす全国連絡会」(明治公園2時デモ出発)→山口が会場でお待ちしています!
★ 「1000万人アクション」(芝公園23号地2時45分デモ出発)
→木村が都営三田線「芝公園」A1出口(午後1時30分)の地上でお待ちしてます!

 6月1日 講座「どう生き、どう死ぬか」

講師:鳥海房枝さん   講師紹介特別養護老人ホーム清水坂あじさい荘総合ケアアドバイザー/特定非営利活動法人メイアイヘルプユー保健師。「市民福祉団体全国協議会」 から、より良い生き方意思表示のお手伝い 「ら・し・さノート」 を出版

日時:6月1日(土)午後2時~午後4時30分

会場:連合会館(旧総評会館)2階会議室/千代田区神田駿河台3-2-11

連絡先 090-4961-0799 木村

「自分はお葬式はいらない」「骨は自然に還して欲しい」と思うなら、生前から家族等にきちんと伝えなければならない、死後のことを整理しておかねば残された家族が困ります。 死とどう向き合い、どう死んでいくか、みんなどう考えているのか、今回はそうした機会となればと企画しました。人生には転機があり、学生時代、就職や独立、勤め人は退職後、どう生きていくかを考えます。五十嵐仁教授は「団塊よ、死ぬ前に闘え」とおっしゃっています。日本社会は核家族化し、認知症の親を個人で介護する家族が増えていますが、介護生活に疲れ、介護する側が介護を受ける事態になるケースもあります。60歳以上の女性の平均寿命は92歳、その7割が認知症だそうです。 どう死んでいくか、自分が選択できる死に方があるのか。人間らしく死にたいは当然で、話題となっている尊厳死、自然死、平穏死とは何か、一度専門家から聞いてみませんか。鳥海房枝講師から分かりやすく説明が聞けます。

残された人生をどう生きるか、どう楽しむか、交流してみませんか。

5月28日憲法学習会!

1 5.28 憲法学習会 講師 杉田敬光弁護士
  東京東部法律事務所所属 73年東京生まれ
  場所 神田多町2-7 木村誠司法書士事務所 TEL03-3256-7058
  時間 午後7時開会
  本日は世話人会を兼ねていますが、多くの方のご出席をお待ちします。
  ☆超右翼安倍は、96の背番号でアンパイアを演じ、迷彩色の征服で戦車に乗り(文民統制な   んて何処吹く風!)壊憲の道をまっしぐら。ここは、一つ、自民党憲法草案の持つ非民主的内容を明らかにしつつ、九条を守る・活用する術を学ぼうと企画しました。

 

4・14アーサー・ビナードさん講演会 204人参加

うなずき 笑いながら… 刺激を受けた2時間30分

4月14日午後、OB九条の会3周年記念、アーサー・ビナードさん講演会を開催しました。題して「最高の憲法と最低の政治の、不思議の国ニッポン」。参加者は20代から80代まで204人でした。

外国人から教えられた「豊かな表現力の日本語」
と、「ウソとペテンの言葉の本質を見抜く視点」

★ウソとペテンにだまされていませんか? 
 アーサーさんの話は痛快で面白く、アメリカ生まれ、イタリアで学び日本で生活している詩人としての感性と精神・論理構造に参加者は圧倒され続けでした。
 「彼は只者ではない」という参加者の感想の裏返しとして、日本にいる私たちの視点や感覚や行動が問われる刺激的な講演会になりました。
 「日本語は、表現できる可能性が素晴らしい言語」であることと、「20世紀最高の奇跡の日本国憲法」という言葉が何度も強調されました。日本語を母国語としているはずの参加者ですが、共感とショックの中で反省と奮起すべき気持ちを随所で噛みしめさせられました。
★「イタリアでは、読者が新聞にだまされることはない」のに、日本では…
 耳が痛いことが次々と語られました。イタリア語を学んだ時のことでは「イタリアの新聞で、読者がだまされることはない」「おかげで奥にある本質は何だろうと考えることができた」と、マスコミ報道に左右されがちな日本の民度をグサリと突かれました。
 23歳の時に来日し、イラクのクウェート侵攻、湾岸戦争となった時期で日本国憲法は知らなかったものの、アメリカでは憲法の論議はないのに日本では新聞に憲法の活字が出ていること、憲法が戦争や派兵の歯止めや制約になるということを知った時の新鮮な驚きが話されました。
 ★デモクラシー=民主主義は誤訳。正確な意味は「民主体制」
 アーサーさんから会場内に出されたクイズは「デモクラシーの意味は?」。いぶかしげに「民主主義でしょう」という声にすかさず「誤訳です」。「資本主義、社会主義、共産主義と同じように訳されて信じこまされていますが、主義は○○イズムといいます」「正解は民主体制です」と、思想的なことではなく現実の社会の姿のことであるとズバリ。
 ★イタリアの絵本から「戦争は勃発しないが、平和はすぐに実現できる」
 会場内が一段と大きく沸いたのは、イタリア児童文学のジャンニ・ロダーニの絵本『キンコンカン戦争』(講談社。アーサー・ビナード訳)の紹介で飛び出した日本語辞書にある「勃発」と「勃起」の単語。後者は日本語を学びはじめた時の余談ですが、戦争は事業であり、儲ける人がおり、武器を作っておかないと始められないから、いきなり「勃発」はしないこと。しかし「平和は元手がいらない。争いを“やめい!”と言えばすぐに実現する」。ここでも場内は大きくうなずきました。
★平和の反対語は戦争ではなく「ペテン」
 そしてまたクイズ。「平和の反対語は?」。答えがすぐに出ず沈黙の参加者に「戦争ではなく、ペテン」と、また場内は、してやられてしまいました。
 「近代以降の戦争の本質は(政権側の)PRであり、サギだ」という解説に続く、「ペテン、サギの視点で見なければ、世界はわからない」「戦争を止めよう、平和運動をやろうとしたら、ペテンを見抜くことからやらないと負けます」という指摘に耳が痛くなった参加者は少なくなかったようで、共感の拍手が大きく響きました。
 ★「奇跡の日本国憲法」を活用しよう、のアピールに大きな拍手
 「戦争のPRに負けないためには、言葉の可能性を広げることが詩人の役割」と噛みしめるように語り、参加者には「戦争のPRに負けないための道具はある」として、「表現できる素晴らしい言語である日本語」と「20世紀最高の奇跡の日本国憲法」の活用を語りかけると、また大きな拍手が巻き起こりました。
★TPPで日本語が絶滅危惧種になる   ことも解き明かされた
 TPP(環太平洋パートナーシップ協定)についても明快で、「自由貿易の名で日本の乗っ取り」「日本語の『自治』が死語となり、次に日本語が絶滅危惧種、関税障壁になっていきます」と警鐘を鳴らしました。
 ここでもクイズ。「トロイの木馬は何でできているでしょうか?」。「木製…」の声にすかさず「木は外側の部材で、腹の中は殺し屋。それが中身、本質です」と、TPPも本質をえぐって正しく理解することを強調しました。
ビナードさんは質問にも丁寧に答え、休憩をはさんでの2時間半でも足りない密度濃い講演会でした。
 
会場アンケート、感想文から

 *「ペテンタゴン」という言い回しが良かった/以前、朝日ニュースターの番組「ニュースにだまされるな」でゲスト出演していた時に拝見して、一度講演で話を聞いてみたいと思っていましたが、イメージ通り面白いおしゃべりで引き込まれてしまい、とても楽しかったです。中でも「ペテンタゴン」という言い回しがとても面白かったです。
*井上ひさし氏のフレーズを思い出した/ビナードさん講演会200名突破、大成功でしたね。これくらいの人が集まると元気が出ます。時間がたつのがあっという間で、井上ひさしの「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく、おもしろいことをまじめに、まじめなことをゆかいに、ゆかいなことはあくまでもゆかいに」というフレーズを思い起こさせます。
ビナードさんの話を何回か聞いたというイトコも今回の話が一番良かったと言っていました。
著書本の販売もおかげさまで好調で、98冊販売することができました。送料を差し引くといささかの利益で、山分けには程遠い金額ですので、そのぶん会報の制作・印刷などでお手伝いさせていただければと考えております。ありがとうございました。(T.M)

 *「脱だまされない」を決意/とてもわかりやすく、かつ姿勢を正される内容でした。だまされないためには学ばねばいけない。学びの場、知る場は自分で見つけなければいけない。最近、インターネットおたく気味になっている自分ですが、これも必要とOKされた気持ちになりました。

 *日本人より日本人らしいと感動した/地域の人にも呼びかけ10人が来てくれた。甲骨文字の望月先生が「初めてしっかり聞いて、日本人より日本人らしい」と喜んでくれてうれしかった。

 *感動し、危機を痛感。できることをやります/このままたたかわなければ日本語が滅びるなんて考えもしませんでした。日本国憲法が奇跡の中でできたということも感動しました。何もしなかったら9条そのものが危ないとひしひしと感じます。私にできるささやかな活動をしていこうと思います。

*福島から避難。アーサーさんの国の原発政策批判に感謝/私は福島から子どもをこの2年間、4回避難させ、いま東京で一緒に住んでいます。アーサーさんが福島原発の件について、国が(県民、国民を)捨てていると言われたことは、私も納得しています。これを声を大にして話して下さっていること、感謝します。

*彼のように屈しない姿勢で生きようと思う/原発に反対です。TTPにも反対です。原発に至ってはチェルノブイリ事故が起きた時から反対しています。正確には事故が起こる前から反対していたと思います。原爆投下以降は日本人なら核の怖さは何かしら知らされています。チェルノブイリ事故数日後TVで放射能を含んだ雨が日本にも降るとニュースで言っていました。当時中学1年生だった私は部活動で毎日5キロのランニングが課せられていました。多少の雨ならばランニングが中止になることはないので、台風のような激しい雨なら走らずにすむのにと考えていました。ですが、その日は小雨で部活の仲間も皆走りたくないと言っていましたが先輩も走るし仕方ないと何も言わず走ったのを憶えています。
 私は今の都会の生活でも、できる限り地球に負担をかけないよう、一般に言われている“エコ”の努力はしています。しかし、自分の周りにはそうじゃない人たちもいます。
 ビナードさんの講演を聴いて中学生の時、何も言えず五キロ走った自分と今も何も言わない自分…26年間も変わらず何してるんだろうと思いました。アリメカ人であるビナートさんは日本語を愛し日本を愛し将来は広島に骨を埋めるだろうと言っていました。人類歴史上類をみない放射能汚染された日本に外国人である彼が日本の存続を危惧し戦っている姿を目の当たりにして、彼と彼を魅了した日本を築き上げてきた日本の先人方に感謝の気持ちと自分の不甲斐なさでいっぱいになりました。 (4面に続く)
 人間の経済活動が地球の破滅へ追いやっているのに、見過ごしているのはどうしてなのだろうと、一握りの人間たちの利益の追及のために地球上全てのものが犠牲になる、その一握りの人たちは自分たちの子供たちのことは考えてないのでしょうか? ゲームを楽しんでいるだけとしか思えません。
 彼らの巧みな情報操作に騙されず目を養い、ビナートさんを見習うのは大変かと思いましたが、彼のように屈しない姿勢で生きようと思いました。

(壇上の看板は、のぼり旗の文字もお願いした書家、望月翠山氏の直筆。望月さんには招待席で参加していただきました。)

◆共催「松田さんを支える会」松田恒彦さんからメッセージ
 「テレビで国民の50数%が改憲に賛成、反対は40数%と言っていました。最低の政治屋より、おろかな国民を見せられた感がして絶望感めいた気がしないでもなかった。でも今日のような草の根の運動の広がりは希望です。
私は43年前の1970年1月21日に『法大全共闘』を名乗る暴力学生たちによって生涯に残る後遺症を負わされました。相手の存在を認めない問答無用とも言うべき最大の暴力である戦争を許さないためにも日本国憲法第九条の改悪を阻止しなければと思っています。大学OBの九条の会が今日のようなビナードさんの講演会を開催することを嬉しく思っています。会の盛会を確信し、高知の地から挨拶を送ります。

アーサー・ビナードさん講演会のご案内  共催松田さんを支える会

日時 4月14日(日) 午後2時開会

場所 千代田区一番町12「生き生きプラザ.カスケードホール」 TEL3265-6311

結成三周年企画『最高の憲法と最低の政治の、不思議の国ニッポン』アーサー・ビナードさん講演会のご案内です。
ビナードさんは全国各地で「だまされない日本人になろう」「プルトニウムと暮らせる?」などの講演で面白く元気が出ると大人気です。文化放送「ソコダイジナトコ」木曜日出演中、ブログ「日本語ハラゴナシ」が評判です。聞いて、見て下さい。
お花見は終わるころですが「かんちく」読者のみなさんで大集合しましょう。懇親会も予定しています。
200名収容の大会場ですが、整理の都合上「行くよ」とお電話下さればうれしいです。

連絡先 TEL:090-4961-0799又は03-3256-7058(木村誠司法書士事務所)、080-5181-9026(中村雅子)

「もっと知りたい在日コリアンの今」に参加して。-私の中の朝鮮―

                              村田民雄
 10月20日の講演会のチラシ作成の依頼を受け、タイトルから内容に興味を持ち、講師の著書『裁判の中の在日コリアン』を読み、さらなる興味から講演会に参加させていただきました。法政OB九条の会主催ということなので、30名位の講演会を予想して出かけたのですが、その半数ほどのアットホームな参加者に少し拍子抜けでした。一方で40数年前法政で知り合った仲間が、今でも当時の思いを胸に護憲運動に関わっていることに感動したことも事実です。講演会後の飲み会も有意義でした。これまでの体験もまじえて感想をまとめてみました。

 ふた昔も前のことになります。馴染みのスナックSはHさんが経営する店でした。Hさんは在日コリアン二世、両親は日本に来て成功し二人姉妹とも大学を修了しています。日本に生まれ育ったので普通に日本語を話し、日本名を名乗っているので在日コリアンであることは一般の客はわかりません。特に国籍を隠しているわけでもなく、この店のウリは朝鮮人参の入った朝鮮酒でした。 あるときHさんも加わって「チョーセン談義」になりました。Hさんは、よっぱらったお客さん同士が「このチョーセン野郎」「チョーセン」とふざけ合う中、感情を抑えながら「笑顔」で接客してきたと言いました。また子どもの学校を選ぶとき、迷った末に地元の小学校を選んだが、4年生あたりから「こんなに日本人がいっぱいいるのになんでボクを朝鮮人に生んだんだ」と暴れるようになり、学校にいかなくなったといいます。
さらに、池上線千鳥町駅で電車まちをしていたときの古い記憶が自責の念とともによみがえりました。池上線は生活道路とほぼ並行して走っています。ホームにいた朝鮮初級学校の小学生に向かって日本の小学生が「チョーセン、チョウセン」とはやし立てて石を投げだし、そこに居合わせた数名の大人たちは誰も咎めることもなく見過ごしたのでした。金弁護士の言った「励ましでも謝罪でもなく」、何故「加害者にやめろ」と言えないのかという言葉が今更ながら心に突き刺さりました。
 山形の田舎町に暮らしていて、在日コリアンや部落差別は日常的にはほとんど体験することはありません。しかし、在日コリアンに対する潜伏している意識は言葉の端々に無意識にあらわれます。それは日韓の長い歴史のなかで刻まれた、日本人すべてにわたる差別意識です。かつてカメラのコマーシャルに「バカチョンカメラ」というコピーがありました。「誰でも簡単に使えるカメラ」という機能を「バカでもチョンでも」と表現したものですが、「チョン」は朝鮮人の蔑称として使われてきた言葉です。そのことを指摘されたメーカーはすぐに「ジャスピンカメラ」に改めました。おそらくコピーライターは差別する意識はなくその語源も知らなかったのでしょう。「バカチョン」は今でも生きていて、革新的と言われる人々の何気ない会話にも顔をだします。
 金弁護士の講演「在日コリアンの今」は、差別される側の人間として生きてきた半生を語る肉声でした。私たちが過去の事件として知っている寸又峡事件、小松川事件、指紋押捺拒否、サハリン残留韓国人問題などは、戦後日本の政治のなかで在日コリアンがおかれた過酷な差別状況と深く結びついています。そしてそれは日本人の意識をあぶり出すのです。歴史認識にしても、「日韓併合により日本は韓国のインフラ整備に資金を投入し戦後の発展の基礎をつくった」「従軍慰安婦はビジネスだった」「創氏改名は仕事を得るために自ら望んだものだった」といった言説が政治家の口からためらいもなく飛び出し、その口で「何度謝罪すれば気が済むのだ」という。そんなに韓国のためを思って併合をしたのなら、感謝されこそすれ、一度たりとも謝る必要などないのにという矛盾にも気がつかないのです。
 平和運動、護憲運動の中に侵略者側の視点があるのだろうかという指摘は改めて問い直す必要があると思います。児童文学の世界でも「戦争の悲惨さ」だけが強調され、アジアに対する加害者の視点に立った作品が少ないことが指摘されてきました。上野動物園の動物の慰霊碑はあっても、関東大震災で虐殺された朝鮮人の慰霊碑は一つもないという事実にはいまさらながら驚かされました。まさに視点の欠如を突かれた思いでした。
 金弁護士の目からウロコの話と、当日集まった九条の会の皆さんに刺激されました。未来を語るには少し歳をとりすぎ、大きなことはできませんが、これまで見過ごしてきた小さな理不尽の見直しから始めてみようと思います。

*九条の会・紹介***・・・・・法政大学Ⅱ部OB九条の会

 九条の会東京連絡会の隔月刊の冊子「生きいき憲法」10月号に掲載されたものです。
 私たちは暴力反対、日本国憲法9条の精神を世界に広げるために「九条の会」を結成したのです。

「いま官邸前。少し涼しくなりました。来られた方は声をかけて下さい」--金曜の夕方、携帯にメールが届きます。
 各々ができることをやり、仲間を誘う、そのような実践スタイルをモットーとしています。

●学生時代の繋がりで
 職場でもなく、地域でもない学生時代のつながりを活かしてゆるやかな「九条の会」、それが私たちの「法政大学Ⅱ部九条の会(OB)」です。
「数ある九条の会の一つとして暴力で物事を解決させないために、そして日本国憲法第九条の精神を世界に広げるために」(結成趣旨から)。
 “団塊世代”が中心ですが、上は70歳前後から50代まで、少しずつ増え、結成2年余で3ケタになっています。

●「反戦平和、暴力反対」!
 私たちが学生だった1960年代から70年代は、東大闘争だけでなく私学でも学園民主化の運動が広がっていました。クラスやゼミ、サークル等から教育制度改悪反対、反戦平和を求めてベトナム反戦運動や安保条約に反対する行動に、学生自治会の呼びかけで行動していました。
 一方、暴力で主張を通そうとする「全共闘」が新左翼と呼ばれる暴力集団と一体になって、学生を襲うということも日常化していました(筆者もクラス討論で暴力反対を口にしたことから集団のテロにあっています)。
 重体になり死線をさまよう大怪我をした学友を、それ以来支える活動を続けていますが、その40年の集いの2010年4月、百人を超す参加者の賛同で、この会が発足しました。

●団塊世代よ、死ぬ前に闘え
 メンバーの多くが“あうん”の呼吸で胸に納めている言葉が大原社会問題研究所・元所長の五十嵐仁氏のブログ『転成仁語』に載った言葉「団塊世代よ、死ぬ前に闘え」です。
 既に職場や地域などで九条の会などの活動をしているメンバーが多い一方で、運動に参加する機会を持たない者も結構いることも現実です。そういうことから、「屋上屋を架す」ことのない活動のあり方を常に考えながら、歩みを進めています。

●救援要請で被災地支援も
 東日本大震災では、郷里に戻った学友の一人、岩手県の医療関係の労働組合役員からの救援要請に敏感に反応し、早速カンパでガスタービン式の発電機を送りました。
 支援物資を職場で集め、トラックを徹夜で運転して現地に運ぶ者を筆頭に、カンパでワゴン車数台に物資と人員を積み込んで5月、8月、12月と岩手の大船渡市と陸前高田市に派遣し、現在も自分の地域で必要な物資を集めて送り続ける者ありです。
 職業も様々で各分野の専門家も揃っているため、ネットワークを駆使し、その気になれば何でもできそうです。心意気とやる気は、年齢と体力のハンディに負けないようです。

●原発も命の観点から「×」
 原発に対しても、50基以上の存在になるまで放置してきた反省が言葉として出てきます。
「原発いらない、命が大事。子どもを守れ」に賛同です。
 平和のうちに生きる権利とは生命第一の思想ですから、九条そのものでしょう。
 集会・デモには子どもや孫と一緒に参加するメンバーも。
 大学で学んだことを現実に活かしていくことを、改めて心に刻み、楽しく交流していきたいと考えているところです。

写真=大学がある懐かしいJR飯田橋駅頭で宣伝と署名活動も

(文責・山田幹夫)