映画『タクシー運転手』観て  JY

なぜ?韓国ではキャンドルデモに若者を初め200万人もの人々が集まり、文在寅政権を樹立できたのか。安倍政権を打倒できない日本との違いはどこにあるのか。
2018年上映された韓国映画『タクシー運転手』を観て、一つの答えを見つけた気がした。
舞台は光州。時は1980年5月。軍隊が封鎖する光州で何が起きているのか取材したいドイツ人記者を「金稼ぎ」のため光州まで乗せて行く平凡なタクシー運転手。ソン・ガンホが演じる運転手は自国の兵士が市民に向け発砲する現場から逃れるが、「事実を世界に知らせなければならない」とUターンして記者を救い出す。感動した。理不尽な暴力にむせび泣いた。
私が30代の頃に起きたことだが、正直言うと当時韓国でこんなことがあったとはあまり記憶にない。
『タクシー運転手』は一昨年韓国で公開され、1.200万人を動員した。全人口が5.100万人だから約4人に1人が観たことになる。極めて政治的な映画だが、韓国の民主主義はこういう経験を乗り越え根付き、こうした過去を現代によみがえらせる文化状況を持ち続けている。2017年に公営テレビのMBC(文化放送)で番組への圧力に反発し、「放送の正常化」を求めて労働組合がストライキに突入した。国民の支持を得て勝利し、解雇された労組委員長。崔承浩(チェ・スンホ)氏が新社長ン選出されたそうだ。
報道の自由を求めるマスコミ人、支持する国民、民主主義を根付かせてきた韓国社会。若者がキャンドルを持ち集まる答えの一つではないかと思う。
ソン・ガンホは映画『密偵』や『弁護人』の主人公でもある。『弁護人』も1.100万人を動員した社会派ヒューマンドラマのヒット作である。廬武鉉元大統領をモチーフに作られ、文在寅大統領は弁護士として共に無料弁護をした仲だ。今後もソン・ガンホが出演する映画を観たい。
上映館を探したが2019年3月現在見つけられなかったが、2018年11月にDVDが発売されている。レンタルで観るか、希望が多ければ九条の会で上映会を開催しますか。
鑑賞した仲間で二つの命題を取り上げてそれぞれの見解を肴に語り合いたい。
① なぜ兵士は市民を撃ったのか?
② なぜ運転手は偽名を使ったのか?

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